企画展 琵琶 ~こころとかたちの物語~企画展 琵琶 ~こころとかたちの物語~

企画展 琵琶 ~こころとかたちの物語~

第4章

琵琶の今とこれから

琵琶は、時代を超えて今日まで受け継がれてきました。
それは、その音楽と演奏の機会が、時代の要求にあわせて多様化し、
どの時代でも幅広い立場や階層の人々に支持されてきたからだといえるでしょう。
一方で、その人気の度合いは時代の変化に大きく左右されてきました。
かつては日常的にその音色を耳にしたといいますが、
現在では出会うことのできる機会が大変少なくなってしまいました。
本章では、琵琶の現状を紹介します。
演奏や製作の第一線で活躍する人々の生の声にも触れながら、
現代、そして未来につながる琵琶の魅力を探ります。

琵琶と生きる人々の声を聴き、想いに触れる

本展の開催にあたり、演奏や製作に長年取り組んできた方々にお話しを伺いました。
琵琶との出会いをはじめ、各種琵琶の特徴や面白さを語っていただきました。
現代の私たちが、これからも琵琶に親しみ続けるためには・・・?

四代目 石田 不識(いしだ ふしき)

昭和12年八戸市尻内町生まれ。
上京して宮大工をしていた際、先代である三世石田不識の後継者として迎えられるも、本格的な修行を前に先代が急逝。
昭和45年に雅号を継ぎ、試行錯誤の末に習得したその高い技術は、国内外の琵琶演奏家から厚い信頼を寄せられている。
平成15年文化庁長官表彰、平成18年文化庁選定保存技術保持者認定、平成20年旭日双光章を受章。

奥村 旭翠 (おくむら きょくすい)

1973年 山崎旭萃(人間国宝)に師事
1976年 NHK邦楽オーディションに合格
1996年 大阪文化祭賞受賞
2007年 筑前琵琶橘流日本橘会「大師範」
2008年 大阪市民表彰受賞
2015年 第36回松尾芸能賞優秀賞受賞
2016年 重要無形文化財保持者(人間国宝)
毎年、独演会及び一門会を開催

石田 克佳(いしだ かつよし)

昭和42年生まれ。父は琵琶製作師、石田琵琶店四世石田不識。
薩摩琵琶に限らず、あらゆる琵琶の製作・修理に携わる一方で、平成元年より薩摩琵琶奏者の第一人者である須田誠舟氏に師事。以来、琵琶の製作者および薩摩琵琶奏者として、国内外を問わず、さまざまなイベントや演奏会に参加している。
薩摩琵琶正絃会会員、日本琵琶楽協会会員。

山田 文彦(やまだ ふみひこ)

宮内庁式部職楽部楽師。1994年より篳篥、楽琵琶などを修め、2000年楽師任官。東京藝大での講師経験から、若手が活躍する舞台を創出すべく2016年雅樂千年乃会を結成。2017年安倍首相のイヴァンカ・トランプ米大統領補佐官饗応会食の総合演出、2018年フジロックに「千年前のロック」として雅楽をプロデュースする等、既成概念に囚われず和文化を発信中。
重要無形文化財総合認定保持者。

菊央 雄司(きくおう ゆうじ)

地歌箏曲家。人間国宝故菊原初子師の後継者・菊原光治師に師事。平成14年(2002)から文化庁の新進芸術家国内研修員として今井勉師から平家の指導を受ける。長谷検校記念全国邦楽コンクール最優秀賞、大阪舞台芸術新人賞、大阪文化祭奨励賞、日本伝統文化振興財団賞など受賞。平家語り研究会会員。

琵琶の今を知る