

企画展 琵琶 ~こころとかたちの物語(3)~
第3章 琵琶にみる文化
琵琶はかつて、一般の人々にとって今以上に身近な存在でした。
日本の絵画や彫刻を見ると、各時代に琵琶がどのように受け入れられていたのかを知ることができます。
また、人々の信仰や娯楽と深く結びついている琵琶からは、
日本で育まれた価値観や美意識を掘り下げていくこともできます。
本章では、5つのテーマから、琵琶と日本の文化との関わりに目を向けてみます。

- 阿弥陀聖衆来迎図 / 不明 / 鎌倉時代 / 129.3×158.4 / 東京国立博物館 出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム
- 経政詣竹生島 / 小堀鞆音 / 1896(明治29)年 / 181.4×83.5 / 東京藝術大学 画像提供:東京藝術大学 DNPartcom
- 源氏物語絵巻 宿木 三 絵 / 不明 / 平安時代 / 22.5×48.6 / 徳川美術館 画像提供:©︎徳川美術館イメージアーカイブ DNPartcom
- つきの百姿 月の四の緒 蝉丸 / 芳年 / 1891(明治24)年 / 不明 / 国立国会図書館 出典:国立国会図書館デジタルコレクション
- 百器徒然袋より抜粋 / 鳥山石燕 / 江戸時代(1805年)年 / 不明 / 国立国会図書館 出典:国立国会図書館デジタルコレクション
- 百鬼夜行絵巻より抜粋 / 不明 / 不明 / 27.7×681.0 / 国際日本文化研究センター
- 無題 / 歌川豊国 / 江戸時代(1811年) / 38.3×25.7 / ボストン美術館
タイトル / 作者 / 時代 / 実物のサイズ(cm) / 所蔵

琵琶と信仰
琵琶は、法要や祈祷などの宗教儀礼で度々用いられてきた。神仏や飛天の中にも、琵琶を持った状態で描かれる者がおり、琵琶と人々の信仰との関わりを伝える。
琵琶と文学
平安時代から鎌倉時代にかけて、琵琶は天皇や貴族、武士などに愛好された。当時作られた物語にも琵琶を弾く彼らの様子が度々描かれ、その流行ぶりがうかがえる。
琵琶と妖怪
日本では古くから妖怪にまつわる伝承がなされ、絵巻や画集にも好んで描かれた。日用品や楽器までも妖怪に仕立てあげてしまう人間のユーモアが感じられる。(今日アニメーションやコミック、ゲームなどに登場する妖怪たちの先祖かもしれない。)
琵琶と娯楽
琵琶は、娯楽としても受け入れられた。 江戸時代の浮世絵にも、芸者と思われる女性が琵琶を抱える姿が描かれる。