講座「楽器の中の聖と俗」(全4回)音楽に息づく民族のプライド

詳細

多様な民族が興亡を繰り返した土地柄でこそ、自民族の伝統を死守しようとする思いは強いはずで
ある。音楽や舞踊の中に時代を超えて引き継がれる民族の誇りが現在どのような姿で残っているか
を、シルクロードの中枢ウズベキスタンとトルクメニスタンから、そして、ピレネー山脈をまたぐ
特異な少数言語圏プロヴァンス地方とバスク地方から抽出してみたい。

Ⅰ中央アジアの楽士たち

2017年12月4日(月)19:00~ ウズベキスタン

中央アジアの国々は砂漠化という厳しい自然環境の中に置かれているが、そこに点在するオアシス
都市は昔も今も人間の営みがひときわ輝きを放ってきた。歌や踊りの領域もけっしてその例外では
ない。首都タシュケントや歴史遺産の街サマルカンドでいま活躍中の芸達者な楽士たちの姿を追う
と…

2017年12月18日(月)19:00~ トルクメニスタン

毎年3月の中旬、この国ではノウルーズと呼ぶイラン歴の正月を祝う。ササン朝ペルシア時代の国
教ゾロアスターの流れをくむこの祝日に人気を集めるのがドタール(2弦リュート)の競演。名馬ア
ハルテル種の飼育で有名なトルクメニスタンだけあって、歌にも演奏にも何かと馬の話が絡む。自
作の乗馬人形を操りながらのドタール独演なども楽しい。

Ⅱピレネー山脈の少数民族

2018年1月15日(月)19:00~ プロヴァンス地方

風車が立つアヴィニョンの丘で地元農家の女性たちがファランドールを踊る。伴奏するのは左手だ
けで縦笛を吹き、肩に吊った太鼓を右手のバチで叩くプロヴァンスならではの楽士「タンブリネー
ル」たち。古代ローマの遺跡が多く残る街ニームの郊外に建つ古城では近年稀少な機会となったオ
ック語民謡の名手による軽妙な掛け合い演奏にも遭遇する。

2018年1月29日(月)19:00~ 南仏バスク地方

ある悪魔がバスク人を誘拐するためにバスク語を習ったが7年もかけて覚えたのは“はい”と“いい
え”だけだった―というジョークがあるほどバスク語は極端に難解な「孤立言語」。同系の言語は
今なお世界に見つかっていない。バスク地方を特徴付けるユニークな打楽器チャラパルタの演奏を
実見するだけでも、少数民族ならではの特異な文化形成の様子を知ることができる。

開催概要

会場:浜松市楽器博物館
対象:高校生以上 100人(先着順)
受講料:各回1,000円
申込み:浜松市楽器博物館へ電話で申し込み(TEL.053-451-1128)

講師

西岡信雄(にしおかのぶお/大阪音楽大学名誉教授・浜松市楽器博物館名誉館長)

大阪音楽大学名誉教授。音楽人類学の研究者として世界各地でフィールドワークを行いながら執筆・
講演活動を続ける。1996年から13 年間同大学理事長、98年から8年間同大学学長を務めた。現在
は、(財) 音楽文化創造理事、浜松市楽器博物館名誉館長、(社)大阪フィルハーモニー協会理事など
を務める。著書に『地球の音楽誌』(大修館書店)、『楽器からのメッセージ』(音楽之友社)、『人
と神と音』(ミュージックトレード社) など。ほかに訳書多数。

更新:2017/10/15

浜松市楽器博物館Webページの著作権は、すべて浜松市楽器博物館にあります。許可なく、複製・改変および無断転載・複写等を禁じます。