講座「楽器の中の聖と俗」鳥と人間の音楽交流(全4回)

詳細

人間の祖先が地面をどうにか二本足で歩けるようになった頃、鳥たちはすでに今の姿で空を飛んでいた。したがって、我々の身近にいる動物の中で最も付き合いが長い。その絆の深さを象徴する興味深いもののひとつが、鳥と人間の音楽交流なのである。

第1回 鳥は神さまか、友だちか

2017年1月16日(月)19:00~20:30

鳥は二足歩行や舞踊の習性や発声の多様性など、人間との共通点が多い。一方、空高く飛ぶことや渡りの習性など、人間に不可能な行動を得意とする。この共通点と相違点が組み合わさることで両者の間には、音楽をはじめ様々な相互交流の歴史が誕生した。その原点となったものは、人間による鳥の神格化と、羽毛の利用や食用など鳥による人間への多面にわたる貢献である。

第2回 鳥を真似て、歌い、踊る

2017年1月30日(月)19:00~20:30

人間は、地球上の生物の中で最も物まね好き。一方の鳥は、声も羽毛も空を飛ぶ姿もひときわ美しい。この人間と鳥の特性が出会うことによって、人間は音楽・言語・舞踊・服飾など諸文化の中に鳥の声と姿を多彩に取り込むこととなった。中でも世界全域に見られる鳥声の聴きなし文化と鳥笛文化は人間ならではの遊び心も加わって顕著に発展した領域である。
◆演奏:青木佳那/電子チェンバロ

第3回 鳥の音楽教室

2017年2月13日(月)19:00~20:30

鳥の中にはマネツグミ、ウソ、キュウカンチョウ、オウム、インコなど、物まね上手が多い。これに気付いた人間が、言葉や音楽をそうした鳥たちにも教えてみようと試みるのは当然であろう。ある時期からはこの学習能力に期待してバード・フラジョレットやセリネッテといった鳥を調教するための特別な楽器や教則本まで作って鳥の音楽教育に力を入れた。その興味深いエピソードを紹介する。

第4回 鳥声入りの音楽 中世からメシアンへ

2017年2月27日(月)19:00~21:00

鳥声を音楽作品に取り込む試みは装飾的表現を好んだバロック時代あたりに始まる。即興的な装飾技法に優れたクラヴサンやリコーダーといった楽器のための作品にその例が多い。J.J.ファン・エイク、F.クープラン、J.P.ラモーなどによる当時の名曲から、鳥声を素材に膨大な現代作品を残したフランスの作曲家O.メシアンに至るまでを聴き比べてみたい。
◆演奏:中野振一郎/チェンバロ 羽賀美歩/ピアノ 森本英希/フルート 村田佳生/リコーダー 吉岡秀和/ヴァイオリン 東摩耶/ヴァイオリン 中川敦史/ヴィオラ 野田祐子/チェロ 池田源輝/コントラバス

開催概要

会場:楽器博物館 展示室
講師:西岡信雄
受講料:第1回~第3回は各1,000円。第4回は2,000円
    ※全回一括申込みの場合は4,000円 (一括申込の受付は1/16まで)
対象:高校生~成人
定員:70人(先着順)
申込:浜松市楽器博物館へ電話で申し込み(TEL 053-451-1128)

講師

西岡信雄(にしおかのぶお/大阪音楽大学名誉教授・浜松市楽器博物館名誉館長)

大阪音楽大学名誉教授。音楽人類学の研究者として世界各地でフィールドワークを行いながら執筆・講演活動を続ける。1996年から13年間同大学理事長、98年から8年間同大学学長を務めた。現在は、(財)音楽文化創造理事、浜松市楽器博物館名誉館長、(社)大阪フィルハーモニー協会理事などを務める。著書に『地球の音楽誌』(大修館書店)、『楽器からのメッセージ』(音楽之友社)、『人と神と音』(ミュージックトレード社)など。ほかに訳書多数。

演奏者プロフィール

【第2回】 

青木佳那(あおきかな/電子チェンバロ)
2004年生まれ。ピアノを田中惠子氏に師事。2013年第7回横浜国際音楽コンクールピアノ部門小学低学年の部2位。15年第19回浜松国際ピアノアカデミーではアカデミー史上最年少(10歳)の受講生として選ばれ、同アカデミーコンクールにおいて、モスト・プロミッシング・アーティスト賞を受賞。16年第20回浜松国際ピアノアカデミーにも最年少受講生として選ばれる。東京藝術大学「奏楽堂ドリームコンサート2016」にて藝大フィルハーモニアと協演。浜松市内の小学校に通う6年生。


【第4回】

中野振一郎(なかのしんいちろう/チェンバロ)
京都生まれ。1986年桐朋学園大学卒業。90年に大阪で開催した4回連続の独奏会「ヨーロッパ・チェンバロ音楽の旅」により「大阪文化祭・金賞」等を受賞。87年フランスの「ヴェルサイユ古楽フェスティバル」のクープラン・サイクルに日本代表として参加、ケネス・ギルバートやボブ・ファン・アスペレンら欧米を代表する名手と肩を並べ、「世界の9人のチェンバリスト」の一人に選ばれた。93年ロンドンのウィグモア・ホールでデビュー・リサイタル。94年、サイモン・スタンデイジ(Vn)との二重奏を含む3回連続の演奏会「チェンバロ三夜物語」を東京で開催。2004年のドイツでのリサイタル・ツアーは「“例外”のチェンバリスト」「耳のご馳走」など、地元紙から絶賛された。C.P.E.バッハの作品を集めたリサイタルにより「平成16年度文化庁芸術祭・大賞」を受賞。CD録音にも積極的で、これまでに日本コロムビア、マイスターミュージック、若林工房、浜松市楽器博物館などから多数のアルバムをリリース。その多くが高い評価を受けており、2000年発売の「バッハ:ゴルトベルク変奏曲」が「2000年度レコードアカデミー賞(録音部門)」、2009年発売の「女王の祭壇?パーセル作品集」が「2009年度レコードアカデミー賞(音楽史部門)」に輝く。日本が世界に誇るチェンバロ奏者としてその地位を不動のものとしている。

羽賀美歩(はがみほ/ピアノ)
名古屋市出身。東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業。同大学院音楽研究科修士課程古楽科フォルテピアノ専攻修了。2011年、クレムスエッグ城国際フォルテピアノコンクール第2位。2013年、ブルージュ国際古楽コンクールフォルテピアノ部門第3位。伴奏ピアニストとしては第21回奏楽堂日本歌曲コンクールにおいて優秀共演者賞を受賞する。現在は古楽器フォルテピアノ奏者としての活動のほか、器楽や声楽の伴奏ピアニストとしても多数の演奏家と共演している。2015年6月には小倉貴久子氏との連弾による浜松市楽器博物館コレクションシリーズCD「美しいアップライトピアノ?連弾の悦び?」を発売。

森本英希(もりもとひでき/フルート)
京都市立芸術大学大学院研究科修士課程修了。大阪シンフォニカー(現大阪交響楽団)フルート奏者を経て現在、テレマン室内オーケストラのフルート奏者。ムラマツフルートレッスンセンター講師。京都バロック楽器アンサンブル、フルート四重奏団「アンサンブル・リュネット」、現代音楽アンサンブル「ネクスト・マッシュルーム・プロモーション」のメンバー。古楽器奏者としてもライプツィヒ・バッハ・フェスティバル2003、コレギウム・ムジクム・テレマンのCD録音などを含む多数の演奏に参加している。2006年丹波の森国際音楽祭、2012年韓国国際音楽祭等でソリストを務める。

村田佳生(むらたよしお/リコーダー)
大阪音楽大学楽理専攻卒業。アムステルダム音楽院リコーダー科をディプロマを得て卒業。リコーダーを弥永壽子、北山隆、花岡和生、サスキア・コーレン、ジャネッテ・ファン・ヴィンガーデン各氏に師事。テレマン室内オーケストラとはブランデンブルク協奏曲全曲公演でソリストを務めた他ヴィヴァルディのリコーダー協奏曲4曲を一夜で演奏。またバロックヴァイオリンの伊左治道生氏、チェンバロの三橋桜子氏との室内楽演奏会シリーズ「Amici Musicali」は好評を博すなど、関西を拠点に活動している。

吉岡秀和(よしおかひでかず/ヴァイオリン)
1976年生まれ。4才よりヴァイオリンを始める。京都市立芸術大学音楽学部卒業。これまでにヴァイオリンを、久合田緑、稲垣琢磨、稲垣美奈子、脇田稔の各氏に師事。2002年セントラル愛知交響楽団に入団。現在、同楽団アシスタントコンサートマスターを務める。プシャーテルカルテット及び響カルテットメンバー。中津川音教センター講師。

東 摩耶(あずままや/ヴァイオリン)
高校卒業と同時に渡独。ドイツ国立フライブルク音楽大学卒業後、エッセン併びミュンヘンで A・ライナー教授(ロザムンデ四重奏団)に師事、音楽観に大きな影響をうける。スイス・バーゼル音楽院 R・シュミット教授(ハーゲン四重奏団)の弦楽四重奏科 Graduate Courseを経て帰国。現在フリーランスヴァイオリ二スト。ルツェルン祝祭音楽祭アカデミー生。

中川敦史(なかがわあつし/ヴィオラ)
京都市立芸術大学音楽学部卒業、同大学院修士課程修了。全日本学生音楽コンクール大阪大会高校の部入選。第4回熊楠の里音楽コンクール大学生の部1位。ブレーメン芸術大学留学。モーツァルト室内管弦楽団第2ヴァイオリン首席。岡山フィルハーモニック管弦楽団ヴィオラ奏者。バロックアンサンブル「ラ・ルーナ」メンバー。フリーランスにてソロ、室内楽、オーケストラで活動。

野田祐子(のだゆうこ/チェロ)
京都市立芸術大学音楽学部卒業。2011年黒川録朗賞受賞。2013年より「音楽の彼方へ」と題し、室内楽シリーズのコンサートを企画している。またリサイタルも定期的に行っている。現在はフリーランスのチェリストとして活動し、バロックチェロの演奏にも積極的に取り組んでいる。

池田源輝(いけだげんき/コントラバス)
16歳からコントラバスを始める。杉上あつこ、吉田秀、西口勝、黒川冬貴各氏に師事。第2回Japan International Contrabass Competition3位。「湧き上がる音楽祭」にて湧き上がる音楽祭祝祭管弦楽団とコンチェルトを共演。関西フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団などプロ・オーケストラの客演としても活躍中。現在京都市立芸術大学4年生。

更新:2017/1/11

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