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講座「シルクロード民族音楽紀行」(全8回)

(こちらでチラシを拡大して見られます。[PDFファイル、635KB])

有史以来、世界最大の帝国をユーラシア大陸に築きあげてきた
遊牧の民チュルク・モンゴル。広大な草原をかけめぐって、
古代から近世にかけて大活躍し、経済・文化を展開・伝播してきた
モンゴロイドの仲間たちが、なによりの生命線として駆使してきたのが
シルクロードと呼びならわされてきたユーラシア大陸を網状に結ぶ交易路でした。
その地で育まれた多彩な音の綾を紡いでみようと思います。


第1回 4/24(土) 「モンゴルとその周辺」

中世の頃、“パクス・モンゴリカ”といわれる大帝国をユーラシアの地に展開した
モンゴルの人々は、今もその多くが家畜を追っての遊牧的な生活を続ける中で、
自然との共棲から生み出された豊かな音の世界を作りあげてきました。
オルティン・ドー(長い歌)とホーミー唱法(倍音を使うのど歌)が
その典型といえます。現在はロシアにくみこまれているトゥーバや
アルタイの地にも足を延ばしてみましょう。


第2回 5/8(土) 「ウイグル、キルギス、チベット」

今では国境がしかれ、交流が不自由になってしまっていますが、本来、
この草原から高原への一帯は自由な遊牧民の世界でした。現在、中国の一画に
くみこまれているウイグル族とチベット族も、キルギスタンの地に住むキルギス族も、
かつてそれぞれの王国を持ち、民族文化を築き上げてきました。
ウイグルのマカーム、キルギスのキユ、チベットの声明などを聞いてみましょう。


第3回 5/23(日) 「ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン」

中央アジアの諸民族はみな、それぞれの民族を代表する弦楽器を手に歌い演じてきました。
ウズベク族の撥弦のルバーブやタール、擦弦のギジャク、カザフ族のドンブラやコブィズ、
トルクメニスタンのドゥタールなどがそれで、いずれも周辺の民族と共通した奏法や
歌い方をもっています。


第4回 6/5(土) 「アフガニスタン」

アフガニスタンは西のペルシア文化と東のインド文化との、まさに橋渡しのはざまの地です。
音楽のうえでも西部はペルシア音楽、東部はインド音楽との結びつきが強くみられます。
共通するのは撥弦のルバーブを手にしたアシュークとよばれる吟遊の歌手が活躍して
いることで、とくにヘラートは東西文化を結ぶ一大中心地でした。同じペルシア系民族の地
タジキスタンにも足を踏み入れてみましょう。


第5回 6/27(日) 「イラン」

古代からの数千年にも及ぶ文明の地ペルシア。中世の頃は世界最高の水準を行く
音楽理論・演奏を確立したといわれるところだけに、声楽・器楽ともに
豊富な蓄積をもっています。とくに“詩の国”といわれただけに10世紀の頃から
優れた詩人が輩出し、それを吟唱するタハリール唱法が発達してきました。
この地で展開し世界の東西に伝えられていったウード、タール、サントゥールなどの
音色を堪能してみましょう。


第6回 7/10(土) 「イラク」

古代メソポタミアの文明の地イラクは、現在でこそ戦乱の巷と化していますが、
中世以来のイスラム世界の文化・学術の要として、今も優れた音楽家を
輩出し続けています。とくに都市で展開したイラキ・マカームはアラブ音楽の
粋といえます。“真のアラブ”ベドウィンの素朴な音も聞き逃せません。


第7回 9/25(土) 「レバノン、シリア、ヨルダン」

第1次世界大戦まではオスマン・トルコの支配下にあったこの一帯は、
いうまでもなくイスラムの地ですが、同時にそれ以前からのキリスト教文化も
根付いています。共通して聞こえてくるアザーンと張り合うかのように、
巷ではダブケのリズムが溢れています。いわゆるベリー・ダンスの祖でもあります。


第8回 10/9(土) 「トルコ」

古代ギリシヤの頃、“アジア”とよばれたアナトリア半島にイスラムの
チュルクの一族が流れ込んだのは13世紀末。ウィーンにまで攻めこみ
地中海一帯を支配下においていた彼らは、西方のヨーロッパ世界に
大きな刺激をもたらしたものでした。その“トルコ風”の元祖、栄光の響きを
古典音楽、軍楽、吟遊詩人の歌などを通して聞いてみましょう。



講師 江波戸 昭(えばとあきら)
明治大学名誉教授。1932年東京生まれ。55年東京大学理学部地理学科卒業。
50年同大学院博士課程修了、理学博士。
65年明治大学商学部専任講師を経て助教授、教授。02年名誉教授。
専門の経済地理学に加えて、民族音楽の研究を続けている。
楽器を描いた世界の切手のコレクターとしても有名。
1970年から2000年までNHK・FM「世界の民族音楽」を担当。
民族音楽関連の著書に「世界の音・民族の音」(青土社)、
「民族音楽CD200‐世界の音を聴く」(立風書房)、
「世界の民族音楽‐切手にみる楽器のすべて‐」(生活情報センター)など、
地理学関連の著書に「東京の地域研究」(正・続)」(文明堂)、
「郷土史田園調布」(中央公論事業出版)などがある。

会場:アクトシティ浜松 研修交流センター
時間:午後1時30分〜
対象:高校生以上
受講料:各回1000円、通し券5000円
申込:電話にて(楽器博物館 053-451-1128)