第173回 レクチャーコンサート 「雅楽と仏教が織りなす壮大な国際音楽~四天王寺聖霊会の舞楽~」楽器博物館20周年記念 日本、アジア、そして世界

詳細

日 時:2015年7月12日(日) 開場13:00 開演13:30 終演16:30(予定)
入場料:一般3,500円、学生1,000円(24歳以下の学生) ※未就学児の入場はご遠慮ください。
会 場:アクトシティ浜松中ホール
チケット取り扱い:楽器博物館、アクトシティチケットセンター、浜松市文化振興財団オンラインショップ
※4月12日(日)より発売
お問合せ・チケット予約:楽器博物館(053-451-1128)

 

聖徳太子のご遺徳を讃迎して行われる「聖霊会(しょうりょうえ)」は、少なくとも平安時代初めから大阪四天王寺に伝わる法要である。東京遷都によって一時断絶の危機に瀕したが、大阪の仏教僧や民間人の努力によって再興し、今日まで連綿と受け継がれてきた。僧侶によって唱えられる四箇法要の声明に加え、雅楽の奏楽と舞楽が組み合わされた、歴史と規模、内容において、我が国最高の仏教儀礼のひとつである。現在では毎年4月22日に四天王寺境内石舞台にて昼過ぎから6時頃まで数時間をかけて行われる。
今回の浜松上演は、約2時間に短縮して行われるが、〈総礼伽陀〉〈唄〉〈散華〉〈対揚〉〈梵音〉〈錫杖〉の声明、舞楽〈太平楽〉〈蘇利古〉〈迦陵頻〉〈蘭陵王〉ほか、聖霊会のエッセンスが詰まったもので、楽器博物館20周年を記念して、天王寺楽所雅亮会有志ならびに和宗総本山四天王寺の絶大なるご協力により実現するものである。
天平時代に大陸から伝わった雅楽は、シルクロードの遥か西方の薫りを残す国際音楽である。そしてまたこの雅楽は、音楽や舞踊が単独で存在するのではなく、仏教と深い関連を持っている極めて壮大な文化であることを、この上演を通じて、我々は改めて認識することだろう。

 

プログラム

第1部 (13:30~) 講演「四天王寺の聖霊会―1400年の時空を超えて―」
            講師:南谷美保(四天王寺大学教授)
第2部 (14:30~予定) 聖霊会舞楽大法要
            出演:天王寺楽所雅亮会有志 和宗総本山四天王寺 

出演

南谷美保 みなみたにみほ
大阪大学大学院文学研究科芸術学専攻前期課程修了。四天王寺大学人文社会学部日本学科教授。江戸時代の雅楽の歴史および雅楽演奏家の実態を明らかにすることを専門としている。そのために、江戸時代の楽人が残した日記などの史料・資料をもとに、研究を続けているほか、日本の古代における雅楽受容のあり方にも目を向けている。『四天王寺聖霊会の舞楽』(東方出版)のほか、江戸時代の楽人関係資料をまとめた『四天王寺舞楽之記』・『天王寺楽所史料』(いずれも清文堂)や、共著に『越境する雅楽文化』(書肆フローラ)、『楽家類聚』(東京書籍)などがある。「『抜頭一件』をめぐる考察」など、江戸時代の天王寺楽所に関する論文多数。

天王寺楽所雅亮会
平安時代における日本雅楽の成立以来、その伝承は主に宮廷(京都)、南都(奈良)、四天王寺(大阪)の三箇所に設けられた雅楽団体「楽所」(がくそ)によって行われてきた。四天王寺は飛鳥時代から奈良時代にかけて、当時の中国や朝鮮の様々な文化の集積地であったため、雅楽はまず、奈良時代にこの寺にもたらされ、教習伝承がなされ、やがてそこから次第に当時の都、奈良へと伝播していった。天王寺楽所の楽人達は、このような歴史的伝統を大きな誇りとし、技術の錬磨に励み、吉田兼好が『徒然草』で「都に恥ぢず」(第220段)と評するほどの技量を保っていた。また天王寺楽所は、応仁の乱に際しては京都での雅楽廃絶の危機の克服に大きな役割を果たし、江戸時代以降、大内楽所(京都)、南都楽所(奈良)とともに三方楽所の一つとして、独自の演奏スタイルを保持してきた。ところが東京遷都(1868)により、宮廷や南都の楽人とともに、四天王寺の楽人達も召されて東京に移ることとなり、長年の伝統を誇ってきた天王寺楽所は解体の危機に陥る。しかし、1884年(明治17年)に雅亮会が天王寺舞楽再興グループとして結成され、天王寺楽所の伝統の消滅を惜しんだ大阪の仏教僧、小野樟蔭が1890年(明治23年)に残留の天王寺楽人や民間の篤志家を集めて、天王寺舞楽の再興を図り、雅亮会を組織化して初代会長となった。雅亮会は結成時から数えれば約百三十年にわたり天王寺楽所の伝統を受け継いで今日に至っている。今回の演奏は雅亮会会員の有志グループによって行われる。

更新:2015/3/10

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