第166回 レクチャーコンサート「冬の旅~フォルテピアノで贈るシューベルティアーデ~」〈フォルテピアノとその時代 第1回〉

詳細

日 時:2015年3月11日(水) 開場18:30 開演19:00
入場料:一般2,000円、学生1,000円 ※未就学児の入場はご遠慮ください。
会 場:楽器博物館 天空ホール
チケット取り扱い:楽器博物館、アクトシティチケットセンター、浜松市文化振興財団オンラインショップ
※1月11日(日)より発売
お問合せ・チケット予約:楽器博物館(053-451-1128)

人の声ほど、こころの奥深いところにあるなにかを震わせることのできる楽器はないでしょう。その“声”と、限りなく近い鍵盤楽器は、シューベルト時代のフォルテピアノだと思います。2曲選んだ即興曲はどちらも、樹齢を重ねた大きな木と降る雨の会話、というイメージを持っています。ソロ曲であっても、人の声で呼ばれているような、歌で訴えかけられているような、そんな音時間を作りたいです。フォルテピアノのちいさな革のハンマーは、柔らかな真鍮の弦に、あるときはそっと触れ、ため息やそよ風を紡ぎ出し、あるときは噛み付くような犬の遠吠えや雷鳴を轟かせます。この伝グラーフの、ウィーン・ロマン派の薫り、心に分け入るような音色とともに、弦をつま弾くような指先の感覚をたいせつにしながら、噛み締めるようなドイツ語の詞に寄り添うように、ときには荒れ狂う嵐のように、近野さんとともに心からの“冬の旅”を表現し尽くしたいと思っております。(平井千絵)

「君達もそのうちわかってくれるだろう。この作品は今までのどの歌よりも僕を苦しめたのだ」。初めて友人たちに「冬の旅」を演奏して聴かせた時、その雰囲気に圧倒され言葉も出ない彼らに作曲者はこう言ったそうです。シューベルト30歳、その翌年には短い生涯を閉じました。恋に破れた孤独な主人公は、その歩みによって現代に生きる私達の孤独を体現してくれているかのようです。この最愛の作品を平井千絵さんと共に演奏できることを幸せに思います。(近野賢一)

プログラム

 シューベルト 「冬の旅」全曲
        即興曲D899より第3番、第4番

出演

平井千絵(ひらいちえ/フォルテピアノ)
桐朋学園大学卒業後、故小島芳子氏に、デン・ハーグ王立音楽院古楽器科でスタンリー・ホッホランド氏に師事。フォルテピアノについてのわかりやすい紹介トークを交えたソロ・コンサートが好評を得ており、シリーズコンサート[ぴあのの部屋](王子ホール)では、毎回新鮮な視点で古典派時代の音楽を紹介している。ヨーロッパのメディアでは「傑出したフォルテピアノの専門家」と評され、その演奏がオーストリア放送、ラジオ・フランス、オランダ国営放送などで採り上げられた。2008年からはアムステルダム音楽院や母校であるハーグ王立音楽院で学内試験の審査員を務める。CDはチェロの鈴木秀美氏との「メンデルスゾーン作品集」「ショパン作品集」(以上ソニー=BMG)、初のソロCD、ショパンとグリンカの作品集「1840」(アクースティカ)など。現在、モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲録音「Mozart Speaks」が進行中であり(フォンテック)、第1弾は「レコード芸術」特選盤に、第2弾は準特選盤に、2014年4月にリリースされた第3弾は特選盤に選ばれた。

近野賢一(こんのけんいち/バリトン)
新潟大学教育人間科学部を経て京都市立芸術大学大学院修士課程修了。2007年に渡独しフライブルク音大リート・オラトリオ科及びオペラ科を最優秀の成績で卒業。2012年バイエルン州立ミュンヘン音楽大学大学院歌曲科をマイスターディプロムを得て修了。これまでにオペラでは「フィガロの結婚」アルマヴィーヴァ伯爵、「魔笛」パパゲーノなど、ソリストとしては「戴冠ミサ」「メサイア」「第九」「ヨハネ受難曲」「マタイ受難曲」「ロ短調ミサ」などに出演。2005年以降京都、東京、フライブルク、ミュンヘン、ベルリンなど国内外にて意欲的にリーダーアーベントを行い「美しい水車屋の娘」「冬の旅』」ど多数の作品を取り上げている。2006年岡原慎也氏との歌曲リサイタルに対して青山音楽賞新人賞を受賞。JSG国際シューベルト歌曲コンクール第三位、ポーランドでの第17回キェイストゥット・バツェヴィッチ記念国際室内楽コンクールリート部門第三位、オーストリアでの第16回ブラームスコンクール入選。

更新:2014/11/29

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