第125回 レクチャーコンサート「森の響き・ヴァルトホルン ~ドイツ後期ロマン派・ブラームスの魅力」

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開催概要

入場料:大人2000円、学生1000円
(未就学のお子様は、入場をご遠慮頂いております。)
会場:アクトシティ浜松 音楽工房ホール
チケット取り扱い:楽器博物館、アクトシティチケットセンター
問い合わせ・チケット予約:楽器博物館(053-451-1128)

 ブラームス(1833-1897)の時代、金管楽器には既にヴァルブがつけられ、現在の楽器と同じようなシステムの楽器が普及していたが、ブラームスは彼の全ての作品で、あえてヴァルブのついていない旧型のナチュラルホルンを指定している。ブラームスはそのホルンをヴァルトホルン"Waldhorn"(森のホルン)と呼び、自身でも愛奏していた。このコンサートでは、ヴァルブのない、ただ管を巻いただけのヴァルトホルンで、複雑な音楽を奏でる秘密を明らかにするとともに、演奏される機会の少ないブラームスの名曲「ホルン三重奏曲」を、楽器博物館所蔵のヴァルトホルン(A.クルトワ作 1841年以前 パリ/フランス)とフォルテピアノ(グロトリアン-シュタインウェヒ製 1885~1890年 ブラウンシュヴァイク/ドイツ)を使って紹介する。

 室内楽は、ブラームスにとって心情を素直に吐露することのできるジャンルであった。三重奏曲はブラームス以前には見ることのできない、ピアノとヴァイオリンにホルンを加えた異色な編成の曲。ブラームスは、この曲をシュヴァルツヴァルト(黒い森)の中の温泉保養地バーデンバーデンで作曲した。ヴァイオリン・ソナタはフィナーレにブラームスの歌曲「雨の歌」のテーマが用いられている。既に名声も得、生活も落ち着き始めた46歳のブラームスにより、オーストリアの山間の避暑地で心穏やかに作曲された愛すべき作品。4つの小品はブラームス最後のピアノ曲集。第1番「間奏曲」、第2番「間奏曲」、第3番「間奏曲」、第4番「ラプソディー」 いずれも詩のような内容をもつ意味深い小品で、自身が「苦悩の子守唄」と呼んでいるように、孤独感や寂寥感の滲みでる味わいのある作品。第1曲は、クララ・シューマンが「灰色の真珠」といってその美しさを絶賛した。

 ヴァルトホルン、ヴァイオリン、ピアノの3つの楽器が織りなすドイツ後期ロマン派の世界を存分に楽しんでいただこう。

プログラム

 ヴァルトホルンとヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲 変ホ長調 作品40
 ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 作品78「 雨の歌」
 4つの小品 作品119

出演

 塚田 聡(ヴァルトホルン)、小倉貴久子(フォルテピアノ)、桐山建志( ヴァイオリン)

塚田 聡(つかださとし)
東京藝術大学卒業。在学中に東京文化会館推薦オーディションに合格。卒業と同時に東京フィルハーモニー交響楽団に入団、現在に至る。
1991年にはアフィニス財団海外派遣研修生としてオランダ・アムステルダム音楽院に留学し、ホルンをV.ツァルツォー氏に師事する。また、ナチュラルホルンをC.モーリー氏に、フラウトトラヴェルソをK.ヒュンテラー氏に師事。
2001年には文化庁派遣芸術家在外研修員として再びオランダへ向かい、T.v.d.ツヴァルト氏にナチュラルホルンを師事する。ナチュラルホルン奏者として、「ザ・バロック・バンド」「バッハ・コレギウム・ジャパン」「オーケストラ・リベラ・クラシカ」など日本の主要なオリジナル楽器アンサンブルに参加するほか、モーツァルト時代のディヴェルティメントを主なレパートリーとする室内合奏団「ラ・バンド・サンパ」を主宰。

小倉貴久子(おぐらきくこ)
東京藝術大学を経て同大学大学院ピアノ科修了。アムステルダム音楽院を特別栄誉賞を得て首席卒業。
1988年第3回日本モーツァルト音楽コンクールピアノ部門第1位。
1993年ブルージュ国際古楽コンクールアンサンブル部門第1位。
1995年同コンクールフォルテピアノ部門で第1位と聴衆賞を受賞。
室内楽演奏会『音楽の玉手箱』や『モーツァルトの生きた時代』『ベートーヴェンをめぐる女性たち』などのシリーズを展開。また音楽祭、ラジオ、TVの出演や録音も多い。CDを30点以上リリース。朝日新聞、毎日新聞、音楽現代で推薦盤や「レコード芸術」誌の特選盤に選ばれるなど高い評価を得ている。
DVD『楽器の世界コレクション2-プレイエルのピアノ』。
著書『カラー図解 ピアノの歴史 CD付き』(河出書房新社)。
校訂楽譜『ジュスティーニ:12のソナタ集 第1、2巻』(カワイ出版)。
東京藝術大学古楽科非常勤講師。

桐山建志(きりやまたけし)
東京藝術大学を経て同大学院修了。フランクフルト音楽大学卒業。
1998年第12回古楽コンクール「山梨」第1位。
1999年ブルージュ国際古楽コンクールソロ部門第1位。
現在愛知県立芸術大学准教授、フェリス女学院大学非常勤講師。「エルデーディ弦楽四重奏団」「ラ・バンド・サンパ」などのメンバーとしても活動中。デビューCD「シャコンヌ」を皮切りに、多数のCDを主にコジマ録音よりリリース、高い評価を得ている。ベーレンライター社より星野宏美氏との共同校訂による「メンデルスゾーン:ヴァイオリン・ソナタ全集」の楽譜を出版。

更新:2014/7/16

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