第123回 レクチャーコンサート「静寂の音響 クラヴィコードの世界」

詳細

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開催概要

入場料:大人2000円、学生1000円
(未就学のお子様は、入場をご遠慮頂いております。)
会場:楽器博物館天空ホール(展示室地下)
チケット取り扱い:楽器博物館、アクトシティチケットセンター
問い合わせ・チケット予約:楽器博物館(053-451-1128)

静寂の音響 クラヴィコード
『静寂』という二文字で皆様が思い出されることは何でしょうか?クラヴィコードの物理的な音量は小さいのですが、その中に隠されている「歌心」と「ダイナミズム」は人の心の大きさほどの広がりを持ちます。今回のプログラムではクラヴィコードを手元楽器として愛した作曲家達から生まれた作品をお届けしたいと思います。3月11日以来、私たちは日常生活全般の価値観を見直す日々を過ごしています。ローソク一本が灯す明るさに気づくとき、人間の耳はクラヴィコードの音の中にも新しく拓かれることでしょう。宮本とも子

耳を澄ます
ピアノとも、チェンバロとも、オルガンとも違う鍵盤楽器がある。それはクラヴィコード。16世紀から18世紀にかけてヨーロッパで広く使用された古楽器である。奏者がキーを押すと、マイナスドライバーの先のような金属片が弦を打って鳴るのだが、打った後もその金属片は弦に接触したまま、つまり奏者はキーを押したままにしないといけない。ちょうどオルガンのように。そして、奏者がキーをかすかに揺らすと、なんと消え行く音にヴィブラートがかかるのである。総体的な音量は、とても小さい。もし静かな夜に演奏したなら、時計の針の動きの音も、暖房のファンの音も気になってしまうほどだと、宮本さんは言う。だから弾き手も聞き手も自分の耳を研ぎ澄ます。そう、この感覚を一度味わったら、もう中毒になってしまうほど魅惑のある楽器。それがクラヴィコードなのだ。
嶋和彦(楽器博物館館長)

プログラム

 インヴェンション 全曲(J.S.バッハ)
 ソナタ ホ短調(C.P.E.バッハ)
 幻想曲 ニ短調(W.A.モーツァルト)
 ソナタ ハ長調(W.A.モーツァルト)
 ソナタ ヘ長調(J.ハイドン)

出演

宮本とも子

宮本とも子
東京都出身。ジュリアード音楽院プレカレッジ、聖心女子大学を経てニューイングランド音楽院及び同大学院オルガン科を優等で卒業。後にオランダ政府給費留学生として、スウェーリンク・アムステルダム音楽院に学び、オルガン演奏のソロ・ディプロマを得る。A.バーニー、林佑子、H.フォーゲル、L.F.タリアヴィーニ、故K.ボルト教授らに師事。
1974年以来、ボストン近郊のフィスク・オルガンを始めとした現代製作家による手造りオルガンとヨーロッパでは数百年を経た楽器で演奏活動を行なう。
1980年にはオランダの歴史的名器オーストハウゼンのオルガン(1521年完成・笛は1414年に遡る)で記録用録音の依頼を受けオランダのUnifoxよりLPをリリース。日本では、オルガン製作家の故辻宏、横田宗隆、草苅徹夫各氏の、
イタリアではG.ギラルディ氏のオルガンやレガールの奉献演奏を担当した。
2003年9月、Great Organs in Japan シリーズ Vol.1として、オルガン録音では世界的に定評のある米国LOFT RECORDINGSからフェリスホールの石井記念オルガン、Taylor & Boody Opus 17のCD「バッハオルガン作品集:宮本とも子」がリリースされた。2004年から2008年まで福井県立音楽堂ハーモニーホールふくいでオルガニスト養成講座の講師を務め、同時にオルガンの普及活動の企画や演奏に携わる。その他、米国ミシガン州在住の楽器製作家K.ヒルとの30年に及ぶコラボレーションを通して日本にクラヴィコードを広く紹介し、日本、ドイツ、イタリアなどでクラヴィコードの演奏活動も行う。
2010年4月には、浜松市楽器博物館所蔵の歴史的名器を紹介するCDシリーズで演奏を担当したソロ・アルバム「クラヴィコードの世界」がリリースされ、「朝日新聞」の for your Collection (2010年4月8日)の推薦盤に、「レコード芸術」誌(2010年5月号)器楽部門の特選盤に推薦される。
現在、フェリス女学院大学音楽学部及び同大学院音楽研究科教授。

更新:2014/7/16

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