コレクションシリーズ33 「イングランド麗し ~吟遊詩人の歌と変奏曲~ 18世紀のスピネット、チェンバロとソプラノによる」

内容

コレクションシリーズ33 「イングランド麗し ~吟遊詩人の歌と変奏曲~ 18世紀のスピネット、チェンバロとソプラノによる」

モーストリークラシックレコード芸術読売新聞 各誌において推薦を受けました。

演奏

水永牧子(スピネット、チェンバロ) 広瀬奈緒(ソプラノ)

使用楽器

スピネット S.キーン  ロンドン 8世紀初期 52鍵 G1/B1~d3 A=415 全幅155.0cm
 使用曲:3, 4, 6, 7, 8, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 22
チェンバロ A.& J.カークマン  ロンドン 1791年 61鍵 2×8′ 1×4′ F1~f3 A=415 全長230.0cm
 使用曲:1, 2, 5, 9, 10, 11, 12, 21

ライナーノーツより

このアルバムでは、16世紀後半から18世紀末までの、約200年に渡るイギリス音楽を集めました。チャーミングなタイトルを持つ、これらの音楽には、当時口ずさまれたり、鼻歌のようにして、人々に親しまれていたメロディが多く含まれています。 

録音で使用した2台のオリジナル楽器は、対照的なキャラクターを持ち、どちらの楽器で、どの作品を弾こうかと大変悩みました。キーン作のスピネットは、まるで子供が弾いていたかのような可愛らしい楽器で、出てくるのは、囁くような明るい音色。一方、カークマン作のチェンバロの響きは深く、特に低音は巨大に伸び、弾いている私が飲み込まれてしまいそうなほどでした。

魚に例えるなら、めだかチャンとくじらクン、というところでしょうか。そのような訳で、これからまさに録音しようとする作品達のイメージは、どちらの楽器で弾いても良い意味で覆されてしまい、演奏するテンポや解釈が徐々に変化していきました。

やはり、楽器達の音色は、私の予想をはるかに超えて熟成していたようです。何せ、これらの名器は300年前から呼吸しているのですから。2台の楽器は、浜松に来る前にはアメリカのコレクター、ローゼンバウム氏が所有していたそうですが、それ以前はどんな環境に置かれていたのでしょう。どんなオーナーが弾いていたのかしら?

また引っ越しに耐えたり、戦争をくぐり抜けたりしてきたのかしらなど、そんなことを想像してみました。すると、よく現代まで生きのびてきてくれたという感動が起こり、楽器の生まれ故郷である、イギリスの田園風景が思い出されたりしました。

いま日本で、このオリジナル楽器に触れ、また多くのインスピレーションを得られたことに、改めて感慨深い思いでいます。そして、この貴重な楽器を、快く弾かせて下さった嶋和彦館長に、心より感謝申し上げたいと思います。

それでは、イギリスのいにしえの響きをお楽しみください。(水永牧子)

演奏曲目

No. 曲名
1 ラムレイ卿のパヴァーヌ(J.ブル)
2 ラムレイ卿のガリアード(J.ブル)
3 出て行って! このもやもやした気持ち(作者不詳)
4 まぬけなシモン(J.P.スウェーリンク)
5 王の狩(J.ブル)
6 グラウンド ハ短調(H.パーセル)
7 ロンドー(H.パーセル)
8 もう一度 戻っておいで(J.ダウランド)
ソナタ第3番 ト長調(T.A.アーン)
9 Ⅰ プレリュード
10 Ⅱ アレグロ
11 Ⅲ メヌエットと変奏
12 つかの間の音楽(H.パーセル)
13 グラウンド ニ短調(H.パーセル)
14 ソールズベリー伯爵のパヴァーヌ(W.バード)
15 ガリアード(W.バード)
16 王のモリスコ(作者不詳)
17 バグパイプとドローン~「戦い」より(W.バード)
18 今のうちに薔薇のつぼみを摘んでしまおう(W.ロウズ)
19 デンマーク王子の行進曲(J.クラーク)
20 狩のアルマンド(J.ブロウ)
21 ジョン、今キスしに来て(W.バード)
22 グリーンスリーヴス(イギリス民謡)

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